技術書典 代表 @mhidaka です。
技術書典5のサークル参加申込受付にあわせて技術書典4のサークル参加アンケートを公開します。
技術書典とは
技術書典とはTechBooster(mhidakaが代表の技術書をかくサークル)と達人出版会(takahashimが代表の電子技術書出版社)が主宰している技術書イベントです。
広く技術のことについて知れるお祭りです。
技術書典5は2018年10月8日(祝・月曜日)開催、技術書典4と変わって池袋サンシャインシティ2F展示ホールD(文化会館2F)です。
7月19日 23:59までサークル参加受付中です。
本エントリを読んで興味がでたらぜひ申込ください。
技術書典4開催情報(振り返り)
第4回 技術書典
日時:2018年4月22日(日)11:00~17:00
場所:秋葉原 UDXホール
サークル参加:合計246サークル
来場数:6,380人(整理券配布枚数による)
第4回は快晴での開催となりました。たいへんな盛り上がりでしたが、みなさまの協力のおかげもあり事故なく開催できました。
運営としては技術季報が早々に売り切れる、整理券の在庫が枯渇したためその場で生産するなど想定外のできごともありました。当日の様子は次がわかりやすいです。
今回は会場の都合もあり、技術書典3で好評だった見本誌会場などの準備がない中での開催です。
参加者数は整理券配布枚数およびサークル入場者数を合算した6,380人です。
この人数は整理券をもらったが来場しなかった人や繰り返しの入場(のべ人数)を考慮していません。
5000枚の整理券を用意していましたが一般来場者数が想定を大幅に上回り、混雑対応を優先したため
入場者数とユニークユーザーの把握が困難となりました。
なお第3回開催がのべ3,100人(ユニークユーザーで2,750人)でしたので概ね2倍の参加者数です。
第3回まで参加者が約3,000〜程度で安定していましたが第4回開催では会場設備改善によりサークル数で25%増加、
一般参加者数で100%増、開催直後から16時前までの5時間弱にわたり入場制限が発生するなど記録的なイベントとなりました。
当日来場いただいた一般参加者のみなさん、当日サークル参加いただいた出展者のみなさん、ありがとうございました。
ウェブ上には参加レポートなどがあります。さがしてみてください。
以下はこれまでの技術書典のアンケート結果です。あわせてどうぞ。
本の対象範囲
技術書とは、「ITや機械工作とその周辺領域について書いた本」を指します。ソフトウェア、ハードウェア、開発環境、コンピュータサイエンスからその他科学・工学全般などのジャンルを対象としています。たとえばプログラミング解説書のように現存する技術要素の解説を行うもの、架空の工学、未知の科学技術なども対象です。また作ってみた、やってみた、など体験談や考察、上記のジャンルに付帯した開発効率を高める方法のようなライフスタイル、実体験も歓迎します。自分の積み重ねてきたマニアックな技術や成果、ノウハウを詳細に書き記し世に広めたいとは思いませんか?
技術書典はハード、ソフト、機械、科学、エンジニアリングに関わるその他ライフスタイルや考察など技術ジャンルを問わず
「技術」をテーマにしたお祭りです。たとえばTechBoosterは主にソフトウェア、あとハードウェアをチョットデキル感じです。
アンケート結果
アンケートは131サークルから回答をいただきました(回答率53.2%)。回答いただきました出展者のみなさん、ありがとうございます。
アンケート結果は過去に学び未来を掴み取る統計情報として毎回まとめているものです。
次回開催の参考に使うことを想定していますが確固とした指標ではありません。各項目は必須ではない&多値回答可能ですので合計値が131になるわけでもありません。
参加サークル調査
執筆活動について尋ねました。「執筆は初めて」「コミケなど他のイベントに参加したことがある」「技術書典から執筆を開始した」「商業でも活動している」「その他」からの多肢選択式です。
今回は初めての人が約22%です。前回のアンケートでは25%でしたので割合としては微減、全体としては増加傾向です。
商業誌への寄稿、著書がありプロとして活躍されている方は20%、今回より追加した選択肢「技術書典から執筆を開始した」との回答は37%です。
前回は自由記述で13%でしたので直接的な比較はできませんが、着実に増えておりイベントが定着してきたことが伺えます。
技術書典でははじめての人向けのサポートを充実していきたいと考えており、
初心者向けの技術書の制作、執筆勉強会を定期的に開催しています。
https://techbookfest.connpass.com/ メンバーになると勉強会の開催時に通知が届きます。
プロの編集さんや出版社さんからゲストをお招きしています。技術書執筆に際しての相談や添削が受けられます。
持込部数
当日、持ち込んだ数はサークル単位では平均208部が持ち込まれています。
前回から新刊と既刊に分離して計算しているのでこちらも掲載しておきます。
ここでの新刊は技術書典にはじめて出した本という定義です。100%今回はじめて書き下ろした技術書ではないので注意してください。
- 新刊:平均100部、最頻値 60部、中央値100部
- 既刊:平均 45部、最頻値 30部、中央値 20部
今回のアンケートから品種(持ち込んだ種類)を取得するようにしたため全体的に減少傾向があります。
新刊1種あたりの中央値は100部です。
これはいままで合算していたものを細かく入力いただいたためで、より現状に即した数字です。
品種については次の平均値を得ています(品種を加味すると前回のアンケート結果相当を1.5倍程度上回ります)。
- 新刊:サークルの95.4%が頒布、平均 1.6タイトル(1サークルあたり)
- 既刊:サークルの45.6%が頒布、平均 2.2タイトル(1サークルあたり)
平均値が大きめに見えますが実際には次のような頒布傾向です(こちらのほうが実態を表しています)。
平均的なサークル像はこれらを組み合わせた数字としてざっくり200冊を持ち込み、
新刊1種100部を目処に新刊と既刊の持ち込み比率は10対5です。おおよそ5割のサークルで既刊を扱っています。
この数字は「新刊を落とした」という状況が大変少なかったことを示すとともに、
1サークルあたり複数の技術書が生み出されてる状況をあらわしています。
今回の技術書典5は会場の都合上、サークル申込が高倍率になっています。
新刊種類が多めにでた数字はこのあたりの事情で委託・合同サークルの誕生が影響していると推測しています。
前回に引き続き、価格帯はアンケートを取っていません。会場を目測したかぎりでは500~1000円といったところです。
無料や数百円のものから2000円を超えるものまで幅広くありました。TechBoosterは1冊1000円ですが、価格と売り切れの相関は強くありません。
聞いた範囲では一般参加者は純粋に面白いと感じた本を買っているようです。
頒布部数と完売率
当日の頒布部数はサークル平均168部、完売率は78.3%です。前回比で14ポイントの増加です。
この数字は技術書典2(UDXアキバスクエア初開催)と同程度の水準です。
頒布部数が伸びた背景には来場者数が100%程度増加していたこと、参加サークルが増加していること、持ち込み部数が増加していること、晴天であること
など上振れ要因にめぐまれたことが挙げられるでしょう。ここでも天候に影響されるというイベントの特性があります(今回は技術書典史上最高の晴天でした)。
早いサークルで12時までに完売(全体の15%)、13時にかけてさらに21%が、14時までに追加で20%のサークルで
新刊、または既刊いずれかが完売になっています。
当日は開場直後(1時間以内)に新刊が売り切れたサークルが2%程度ありました。
参加者数が増えたことで頒布速度が加速していると読み取れます。
特に14時までの3時間で全体の60%のサークルで頒布物がなくなっており、この数値は前回比で倍の高水準です。
頒布情報
アンケート結果と回答率から当日の全サークルの頒布数は40,000冊前後、参加者一人あたり6.2冊を購入しており、完売率は78.3%です。
前回より大幅な伸びを記録しており、倍となる4万冊の技術書が1日で流通しています。
完売率は14%伸びている一方、参加者一人あたりの購入数は1.0冊減少しました。
これは会場の混雑(ゆっくり見れていないほどの混雑)が原因と推測しています。
半年前の技術書典3と比べると(技術書典が浸透したという事実を考慮しながらも)
記録的な数字になっています。今回は天気にも恵まれました。
あくまでこれらの数値はアンケートをベースにした統計情報であり、
この先の需要がおちつくのか、更に伸びるのか推移を予測することは困難です。
運営ではサークル参加に関する体験・頒布の数値を統計情報として公開することが
サークル参加のための資料・頒布数決定の判断材料に活用できると考えています。
技術書典の開催も4回を数え、37%のサークルが「技術書典から執筆を開始した」と回答いただいています。
これらから情報を発信する手段としての技術書典、
また新しい技術に出会えるお祭りとしての技術書典が認知され始めているのでは、と感じています。
ありがとうございます。技術書典は、いろんな技術の普及を手伝いたいとの想いではじまりました。これからもそうあり続けたいと考えています。
主宰雑感
技術書典4ではサークル申し込み数も異次元の伸びでした。現時点では技術書典5も同様の傾向が続いています。
新刊を発行するサークルが95%を超えていること、頒布部数が1000に迫るサークルが複数出ていること、
いずれも高い関心、技術書典が新しい技術書のかたちとして認知が進んだ結果だと感じています。
主宰としても毎回が新しいイベントと思えるほどの違いがあります。気を抜かず安全に良い体験ができるよう最大限の努力し、運営しています。
今後、規模が拡大する場合でも部数やジャンルにはこれまで以上に振れ幅がでてくるはずです。
サークルの体験向上に繋げるアンケート
1:全然なかった~5:十分あったの5段階評価です。
話しやすさの面については前回より悪化しています。参加者数の6,380名は5時間程度にわたって入場制限がかかる
人数のため、頒布だけでも大変だったことが伺えます。
「見本誌による説明」「実演を行った」「タブレット、PCによる展示」「ポスターの掲示」「お品書きの用意」「運営が用意したお品書き、QR利用」
「その他」からの多肢選択式です。展示方法は見本誌、実演、タブレットによる展示が一般的でした。
展示・頒布にかかる手間ははじめての参加者には難しい場合もあるので運営によるサポートも行っています。
次回の開催地は7割が拡大を指示する結果となりました。参加者数の増加がおもな要因と考えられます。
これらファシリティの事情を総合的に鑑みて、次回の技術書典5では3倍の面積を誇る池袋サンシャインシティ2F 展示ホールD(文化会館ビル2F)へ変更いたします。技術書典ならではの盛り上がりを参加者全員で作っていきたいです。
今回もきわめてよい回答です。ありがとうございます。次回は場所が変わりますが、よりよいイベントを目指して改善を続けてまいります。
技術書典5 is coming.
技術書典5は2018年10月8日に 池袋サンシャインシティ2F 展示ホールD(文化会館ビル2F)で開催します。
ただいまサークル申し込みを受付中です。本エントリを読んで興味をもった方は是非サークル応募をお願いします。
来場者数は8000名を想定して技術書典4を踏まえてスムーズに運営できるようスタッフ一同頑張ってます。